一閑張り作り
 
2009/2/11 作成
 
◆ 一閑張り;名前の由来は諸説あるが、江戸寛永年間(1630頃)、中国・明の学者である飛来 一閑(ひき・いっかん)が創始した漆工芸の技法のこと。一般的には漆の代わりに柿渋を用いて農閑期の閑な時に古くなった容器を補修・再使用のために作られることが多かった、柿渋によって容器が丈夫になり、一貫目の重さにも耐えるからとの説もある
 
 上牧町すこやかサポーターの活動として一閑張り教室を開催することになり手始めにすこやかサポーターのメンバーで技法を習い作ってみました。メンバーの皆さん初心者と思えない出来ばえにすっかりのめり込んでしまいました。5月21,22日に生徒を募集して 開講 しました。作り方と作品を以下に紹介します。
 
    すこやかサポーターのメンバーの制作風景
 
 
◆ 一閑張りテキスト;一閑張りの作り方のテキストですクリックしてください。このテキストは メンバーの渡辺氏の執筆によるものです。
←クリック
 
 
 
◆ 柿渋まだ青いタンニンの多い未熟の柿を搾り発酵させた液のことで用途として防虫・防水・防腐 民間薬(ポリフェノールが豊富)等である。この液は特有の臭気(とても耐え難い悪臭)があるが自然乾燥で無臭になる。また濾過して悪臭の元を除いた無臭柿渋があるが発色が弱い傾向にある。
 
 
注: 「上牧町すこやかさサポーター」は一人ひとりが出来るだけ医療の世話にならずに、元気で健康な毎日を過ごせるように手助けしようと、上牧町が立ち上げたグループです。
                            すこやかサポーター 活動実績
  
 
すこやかサポータ研修旅行
2018.10 伊賀くみひも体験
2016.10 黒江塗りもの館漆器体験
2015.9 城崎麦わら細工の制作体験
 
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一閑張り作品紹介
 
最新の作品  六目丸篭の菓子容器の小物入れ   2014/10/12 up
 
 
材料は和菓子の容器で直径6cmの六目丸篭です、「翁」の文字は料理屋さんの割り箸の袋を切り取ったものです、合わせ目が見えるの紙質が異なるためです。
 

 
 
 
 
作品   卓上状差し      2013/7/23 up
 
材料はお菓子を包装していた幅15cmの手提かごです。手提げ部分を取り除き足を付けて自立出来る様にしています。
             
カゴの底に長さ10cmの板をバインド線で固定して全体に和紙を貼り付け無臭柿渋を5回ほど塗布しています。
絵柄は別に用意して柿渋を塗った本体の完成品に後から貼り付けたものです、多少流儀に外れる作り方ですが綺麗に仕上がります。絵柄は本体と同質の和紙にしないと合わせ目が目立ちます。
絵はペンで描いています、水でにじまないものを使用することがポイントです。
 
 

 
 
 
 
 ウオールポット (円形壁掛けかご)  
材料は壊れた竹ざるの廃物利用です、これを加工して一閑張りのウオールポットを作りました。
 
作り方
写真@壊れた竹ざる28cmφ、ざるの一部が枠から外れた廃物を利用しました、新品でも支障ありません。 写真A枠から外れた側を真ん中でハサミで切り取ります。この時編み目が崩れないよう両面に木工ボンドを塗ります。ボンドが固まる前に切り取った半分は平に延ばします。 
写真B切り残した半分の正面側、この背面側にAの平らに延ばした半分を取り付けます、取り付け方は三カ所を0.6mm銅線で縛り付け次いでハサミではみ出した竹を切り取り丸く仕上げます。
写真C竹の切り口は補強のため4層程度和紙片を貼ります、さらに和紙を貼り柿渋を5層ほど塗布し乾燥後に柄付きの和紙を模様切りして糊で貼り付けてアクセントをつけます。
仕上げは作品が丸いので流儀的には小さな和紙片を貼っていくのが普通ですが、以前の作品の竹魚籠(びく)と同様の張り方をしました(縦のラインを尊重、詳細は竹魚籠を参照)。残念ながら無臭柿渋なので風格は乏しいです。
 
                                                            
ウオールポット(clickすると拡大します)
 

 
 
 
作品 小物入れ  2012/4/22 up
材料の竹かごは100円ショップ買ったものです、竹の編み目を墨で描いています、無臭柿渋を3層ほど塗布しました、三日目なのでやや風格が乏しいですが時間が経てば黒くなってくるでしょう。
 
小物入れ(clickすると拡大します)
 

 
 
作品 竹魚籠(びく)  2011/8/14 up
素材の竹魚籠(びく)は高さ25x幅20x奥行き17cmで群馬県の道の駅で400円で買ったのです、曲線が多いので流儀的には小さな和紙片を貼っていくのが普通ですが、小生は幅4cmx長さ30cmの短冊状に和紙を切り取りました、切り方も本来は手でちぎるべきですが今回は縦の直線を鮮明に見せるため、物差しの角を当て引き裂くように切り取り、ついで和紙に糊を隅々まできっちり塗り篭の下から上に向けて真っ直ぐ貼り付け口元から内側に向けて貼り付けました。次からは約1cmの重なりで同様に貼って行き和紙の上から乾いた布で押さえて密着させました、布だと手に付かずはみ出た糊も除去出来、きれいに仕上がります。表面に糊が付いていると柿渋が部分的に光沢が出て見苦しくなります。三日ほど自然乾燥さて無臭柿渋を5層ほど塗布しました、写真左上が柿渋塗布前で他は完成後のものです。鶴の絵は別の和紙に描いてから貼り付けてあります。
 
 
竹魚籠(びく)(clickすると拡大します)
 

 
 
作品 竹炭入れ と 花差し 2010/6/06 up
 
      筆者の作品
 
左は孟宗竹を加工して一閑張りに仕上げた脱臭・調湿用「竹炭入れ」と右は「花差し」です、風情のあるインテリアになります。(clickすると拡大します)
 

 
 
作品 ランプ
   
「ランプ」 孟宗竹を加工して一閑張りに仕上げたランプ、丸穴からソフトな光りが漏れ綺麗です。大きな穴の周辺に斑鳩の寺院を描いています。
(clickすると拡大します)
 

 
 
作品 墨で書いた絵や文字の作品
   
(↑clickで拡大)   左のだるまの絵は嵐山天龍寺の庫裡の掛け軸のスケッチ。だるまは柿渋を3倍に薄めて一回塗りし周辺は原液を5回塗りしている。 
絵や文字はカゴにスッポリ入る大きさ和紙に書き、仮置きして口元周辺をちぎり取り次いで糊付けしている。内面を1枚の和紙で仕上げるためしわにならない様に糊付けすることは高難度です。 
墨以外で書く場合はぬれてにじみが出ないか試しみてから書くことが肝要です。
 
 
 
A初期の作品  左はティシュケース、 中央はバスケット 右は小物入れ
  
これらも初期の作品で手元にある材料を一閑張りに仕上げたもので、ティシュケースは木製でその上に和紙を貼っています。中央のバスケットはエコクラフト(紙紐を編んだかご)に和紙を貼っています。右は100均のかごです。
 
 
 
 
 
@初期の作品  屑カゴ、平かご 箱かご
上は屑籠で作った一閑張りです、折り鶴の絵を貼り付けてあります。左下は平かごで唯一有臭柿渋で発色が良い。右下の写真Aは箱かごの周りに墨で風景画を描いています、この絵を拡大したものが次の写真です。
いずれも開始初期の作品です、塗り回数や塗り間隔により様々な色合いになります。予想外に簡単ではまり込んでしまいました光沢は塗り回数が多い程が出る様です、ポイントは和紙を貼るとき空気を追い出すこと、柿渋を塗るときは垂れ跡が付かない素早く引き延ばすことです。材料の竹かごは100円ショップで、和紙と柿渋は東急ハンズでそろえ1個当たり300円ぐらいで出来ました。
 
 
 
写真Aの墨で書いた風景画
 
一閑張りの6面各々に墨で旅行の風景画を描いてみました。墨はにじまないので絵や文字を書くのに適しています。
 
 
 
和洋折衷ですがセピア色の渋い作品になりました。
 
 
 

 
メンバーの作品
 
 
一閑張り指導者です
 
    
(↑clickで拡大)   左の作品は陶器に一閑張りを施したユニークな作品です粘土で形を作り、 半乾きのうちに穴をあけます。 
素焼き後に和紙を張り柿渋を塗っています。左の美しい形状のかごは、かごの目を浮き出させるよう和紙を貼り付けた苦心作です。
 
 
 
 
 
北山敏子
正倉院柄を描いた作品  (clickすると拡大します)
 
 
 
 
 
             
絵は木炭に墨を塗ってスタンプした紙を貼っています
 
 
 
木の葉を貼っていますがややもろいです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  開講
 
09年5月21,22日の教室風景
 
生徒の皆さん観光地等で一閑張製品を見て一度作ってみたいと思っておられた方々が沢山来られました。材料さえ準備すれば初心者でも簡単に作れ見事なできばえになり満足されました。
 
 
 
 
 
 

 
すこやかサポータ教室の実績
   過去に作り方の指導をした作品です
 
   
左からペーパークラフトの帆船、飛行機 布ぞうり、エコクラフトのかご
 
 
左から靴下ハギレで作った「座布団」、ペーパクラフトの「ふくろう」、PPバンドの「プードル」(2012/3/15)
 
 
 
 
 子供サロンへの支援
  
   
動く鉄棒人形の作り方
 
 

 
 
 
 
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